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2006年10月

2006年10月29日 (日)

「パリのカフェ写真展」報告

パリのカフェ写真展
L'exposition photographique "Cafe de Paris"
2006 9/16 (土)-10/15(日)

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 パリを訪れた方なら、一度はカフェに入ったことがあるのではないでしょうか。パリは、カフェ文化の発展した街です。ヨーロッパ近代都市ではカフェは社交場であり、政治や芸術に関しての議論を交わしたり、情報の発信基地ともなって時には文芸や政治を揺り動かす有力な拠点ともなっていました。18世紀にカフェは大衆の集まる場所となり、多くの文豪や芸術家たちにも愛され、夜な夜な談義に花を咲かせていたようです。そしてまたあるときは、パリ革命の舞台ともなったのです。 歩けば数十メートルおきに出くわすほどカフェが並ぶ街なので、乾いた咽をうるおすにも、にわか雨に降られて雨宿り先を見つけるにも、探すことなく、すぐ近くにあるカフェにとびこめます。時間のない朝でもカウンターならコーヒーをすばやく立ち飲みでき、自販機がないパリでもここならタバコやバスのチケットが買える便利な場所です。日替わりのランチを食べたり、いつでも小腹を満たしてくれる軽食を取れたり、夜遅くまで開いているのでお酒を飲むこともできます。飲食代さえ払えば、どんなに長い時間を過ごしても嫌がられることもありません。誰もが気軽に立ちよれるカフェは、この地の人々、パリジャンの生活に根付いているものなのです。

Expo_photo1

 そんな「パリのカフェ」をテーマに外観、料理、人物などを撮影した、パリ在住フォトグラファー梅田裕子さんの写真展をカフェ「ロゾー」にて開催、“カフェのなかで観るカフェ”として企画しました。作品は2Lサイズに現像し、店内に調和させてアンティーク調のゴールドに塗装した額に入れて展示しました。小さな作品ですが全28点を配置し、カフェの客席の壁面を全面使って店内をうめつくすと、さながらギャラリーのよう。当館にとって初めての写真展開催でもあり、カフェを会場にした初の企画でもありました。

Expo_photo6_1

 観て、そしてその場で味わう_カフェそのものを会場にしたことで、一体感を出せれば、とよりいっそうフランスらしいメニューもご用意しました。2種のチーズとハムをはさんだ、温かいサンドウィッチ「クロック・ムシュー」、そのうえに目玉焼きをのせたクロック・マダム、人気のジュース「オランジーナ」や、ペリエをミントシロップで割ったドリンクなど、フランスのカフェではおなじみのメニューを写真展開催中のみ追加しました。とくに「クロック・ムシュー」はみなさんにご好評いただきました、ありがとうございます。いつか定番メニューで再登場するかもしれません。

 古き良き時代の面影を残す店構えから、清潔感ある新しいスタイル、華やかな観光地、庶民的な下町、異国情緒あふれる界隈。その町ごとに特色も異なり、私たちを迎えてくれるカフェの顔もさまざまです。
 梅田さんが撮ったのは、ガイドブックには載っていないカフェや、近くに住んでいるご近所の方々しか来ないようなカフェがほとんどです。アンケートでお答えいただいたなかに「パリ在住の人でなければ撮れないよう、空気感のある作品」というお言葉がありましたが、まさにそのとおりで、パリを熟知している彼女がファインダー越しに覗いた風景をとおして、わたしたちもパリの裏通りまでもが見えてきたようです。また、煎れたばかりのエスプレッソや焼き立てのバゲットの香りがしそうな写真や、カウンターやテーブル、椅子などの古さゆえに温かみのある写真からはカフェの魅力が伝わってきました。
開催中に来館された、芦野館長の写真を撮られる写真家の山崎さんも、光と色彩の使い方にセンスを感じる、と彼女の写真を高く評価されました。

 客席のうしろにも作品を展示したために、カフェ・ロゾーのランチタイムなどの混雑時では、ごゆっくりとご覧いただけず申し訳なく思います。写真ももっと大きくご覧になりたかったというご意見もありました。みなさまからのご指示をありがたく、今後の参考にさせていただきます。ほかには、パリにいるような気分にひたり、また以前訪れたパリの風景を思い出し、カフェでの時間を満喫したというお言葉を多くのお客さまからいただきました。まだ知らないパリを歩いてみたくなったとおっしゃる方もいらっしゃって、楽しんでいただけたようです。
 コンサートは一日かぎりのときが多いのですが、長い期間で開催し、また平日も見どころがある、このような展覧会もまた企画していきたいと思います。(企画担当)

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